家庭でできる骨格標本の作り方

骨格標本って「なんだか作るの難しそう」、「そもそも素材が手に入らない」と思われがちですが、実は簡単に手に入れて家庭でもチャレンジできる場合もあるので、その方法を紹介します。

①素材の入手

スーパーや精肉店に行くと豚足や手羽先、時には鶏頭や豚の頭も手に入れることができます。今回は比較的簡単に入手可能で、骨も丈夫な豚足を見本に紹介します。

②美味しく食べる

焼くと骨が焦げてたり割れたりするので、煮込み料理がおすすめです。

レシピはネットでお気に入りを検索してみてくださいね。

③煮込む

綺麗に食べても細かい筋などは残りがちです。取れやすくするために、食べ終わった骨を三角ネットなどに入れてじっくり煮込みます。

※高温で煮ると骨が痛むので低温をキープしましょう。

炊飯器の保温機能は適度な温度で安心して煮込めて、経済的でもあります。

④軟骨や筋を取り除く

カッターなどを使って骨端の軟骨や筋を取り除きます。骨は薄黄色ですが軟骨や筋は真っ白になっているはずです。

かなり煮込んでいれば歯ブラシで軽く擦るだけでも剥がれ落ちてくれるので、③の工程をしっかりとしておくと楽になります。

⑤脱脂

無水エタノールに3ヶ月浸けて(1ヶ月ごとに液交換)骨の中の脂を溶かし出します。

最後に濡れた状態の骨をステンレスバットなどに置き、エタノール揮発後にバット状に脂が残っていなければ完了!残っていればさらにエタノールに漬けます。

※この工程をおろそかにすると時間と共に脂が滲んできて、変色やカビの原因になるので、不安が残るようなら時間と材料を惜しまずに徹底的に行いましょう!!

※時間を短縮したい場合は骨の端の目立たない場所に小さく穴を開け、脂が出やすくすると効果的です。

⑥漂白

オキシドールに最大7日ほど浸けることで漂白します。

この処理は骨の表面を溶かし白くするため、「骨本来の黄色味を残したい」、「わずかでも脆くなるのは嫌だ」という場合は飛ばしても大丈夫です。

なお、オキシドールが骨の中に残留すると、どんどん骨は脆くなってしまうで、漂白処理が終わった後は1〜2日程度たっぷりの水(流水が理想)に浸して洗い流した後、乾燥させます。

⑦骨を並べる

骨を順番に並べて、位置関係を確認しましょう。同じように見えても関節がピッタリ噛み合うものがあるので、色々な面を合わせて試してみましょう。

※豚足で出回る豚は若い個体が中心なので、煮込むと骨端が外れている場合が多いです。こちらもピッタリ合わさる組み合わせがあるので、接着剤でくっつけます。

ちなみに前足・後足は付け根部分の赤い部分の構造が異なるため、下記の図を参照に識別してみてください。

⑧ー①骨を連結する(接着剤)

骨を順番に並べて連結していきます。

簡易的な方法はホットボンドや接着剤で連結させていきます。

⑧ー②骨を連結する(針金)

これらは経年劣化で脱落してしまうので、骨の関節面に穴を空けて真鍮線やステンレス線を通して繋げることで、半永久的なのにすることが可能です。

豚足の場合、下図のような通し方をすると2本で繋ぎ止めることが可能です。

針金の端は「コイル巻き」と呼ばれる処理を行うことで、抜け落ちることがなくなります。太めの針金などを軸にして巻きつけると綺麗なコイル巻きを作ることができます。

⑧台座に設置する

最後に、格好よくなるように台座に固定して完成です。

この手順に従って処理をしていただければ、基本的な骨格標本作成は可能になりますので、ぜひチャレンジしてみてください!